2006/01/25

亀倉雄策本


亀倉雄策展を行われたのにあわせて出た本です。33篇のエッセイとデザイン論が収められています。亀倉氏の人となりがよくわかりました。素直で実直。隠し事をせず、邪念が無く物事に深く挑んでいく。判断が素早い。うーん、こうやって書きだすと、全てが作品に表れていますね。とくに感動したのが1958年アメリカで行われた国際対ポグラフィック・ゼミナールにての講演「伝統」について語られたときのもの。その他、東京オリンピックのポスターの時の話が面白かった。彼のアートデレクションの持論もすごい。そして彼がグラフィックデザイン、いや企業や社会に対して提示する問題は、50年もちかく前の事なのに、現在も何にも変わっていない事ばかりでした。むむむ。いや身につまされる思いです。がんばらねばなりません。それにしても、この本面白かったです。装丁もシンプルで良いです。