2006/06/11

電信柱





昔、宮沢賢治の童話で「月夜の電信柱」というお話しを読みました。真夜中に電信柱の兵隊がドッテテドッテテ、ドッテテドなどと唄いながら行進をするというお話です。いやこれはシュールでファンタスティックで奇妙なストーリーでとても面白かった。ところで現代の町並みは、その電信柱がまあ何と多い事でしょう。外で建物の撮影をする時は、必ずこの電信柱から無数に伸びている電線が邪魔になります。そういう視点で町中を見ると、どこもかしこもこの黒い線が眼に入ってきます。我が国は景観よりもメンテナンス性とコスト優先だからか、電信柱はあちこちに建ち放題です。もちろんコレが無いと電話や電気は供給されないわけですが、ガスや水道のように地中に埋めるというわけにはいかないのでしょうかね...。銀座の街のなんかは、全てケーブル類を地中に埋め込み綺麗なのですが。しかしながら、電信柱自体はとてもカッコイイ形体をしています。何と言うか、とにかくカッコいい。SFの香りが漂っているのです。クレーンと共に、とても魅かれるアイテムですね。無数に結ばれる電線とそれをつなぐ電信柱。その向こうには建設中の巨大マンションにクレーン...。うーん、シュールな風景だ。ゾクゾク。宮沢賢治がこの風景を見たら、どんなお話を書いたでしょうか...。