2006/06/25

仮面の告白



「金閣寺」(6月14日blog参照)に続き、三島由紀夫の「仮面の告白」読みました。この作品は三島由紀夫のデビュー作で、いわば自伝的作品。女性に対してプラトニックな愛を抱きつつも、性的には不能であることを、自己のあり方を振り返り、告白体形式で追求しているお話です。いやまあ、凄まじいです。自分の事をここまで赤裸々に書けるのでしょうか...。いや書かずにはいられなかったのでしょう。だからこそ、書かれている文章が肉迫してくるように感じるのか。ここでの彼の性に対する欲望は、単純に男性に向けられているというモノではない。世間的には変態的といわれてもおかしくはないのですが、深く渦巻く人の感情は、確かにそう簡単に割り切れるものではありません。読めば変態も納得の説得力です。若干24歳で、このような作品を発表したとは...、衝撃的ですね。うーん、面白かった。その後の三島作品の全ての原点だ。新潮文庫。438円。