2006/04/05

特集 太陽の塔(中編)



入り口からの「太陽の塔」を眺め終わった我々は、その足下まで近づいてみることにしました。「太陽の塔」の周りには対象物がないため、スケール感がつかみにくいのですが、ちょうどゴジラが実在したらこんな大きさかなという感じです。うーん、やはりこれを作ろうと思い立って、アホみたいにでかい芸術作品を作った太郎氏は本当に凄いとますます実感します。彼こそゴジラかもしれません。




それではひとつひとつをよく観察してみましょう。まず「太陽の塔」の手のようなものを真横から見ると、意外に後ろへそっているのがわかります。なんだかペンギンのようですね。今正に飛び立たんとしているのか、それとも全身でオーラを放っているのか。先が細く、太郎氏の作品ではおなじみの形態です。ただ、他の作品のものより真っすぐ伸びていますね。万博当時は、手の中をエスカレーターで上がれたとか。...とこの時点で、見るのに飽きたのか、彼女は、裏の広場で催されていたフリーマーケットへ、興奮する僕を尻目に行ってしまいました。そこには、かつてお祭り広場として建てられていた丹下健三設計の巨大な屋根の一部が置いてあるではないですかっ...! 誰もそんな事はつゆ知らず、その周りではフリマで盛り上がっています。日曜日の昼下がり。みんな...! この巨大な芸術作品が眼に入らないのか...!? 芸術より物欲か。



次に「太陽の塔」の3つの顔です。正確には顔は4つあり、万博開催当時は、中に入れて、地下に第4の顔があったそうです。今は封印されて見れません。お腹にあるぶっちょう面の顔は、何だか世の中に相当不満があるようです。それとは対照的に頭にある金色の顔は、今も光り輝いています。当時はこの眼の部分がサーチライトを使用していたので、眼から光線を出すように、夜空に向って光っていました。そして背中に回ると、世の中を悟りきったような黒い太陽の顔があります。一説にはこちらが正面だという説もありますが...。うーん、とにかくカッコいいです。






いゃあ、いくら眺めてても飽きません。野ざらし状態なので、かなり表面の汚れが気になりますが、それを吹き飛ばす程の存在感です。さすがにフリーマーケットに来た人も、「太陽の塔」は知っていてもそれを見るのは初めてだからか、口々に「でかいっ!」という声が、ちらちら聞こえてきました。でも不思議と怖くは見えないんですよね。(つづく)