2006/07/18

300回


この回でyass-blogが300回となり、借りているサーバがいっぱいとなりました。これをもってyass-blogはいったん一区切りです。目標としていた毎日書くという事は、ほぼ出来ました(多少抜けた事はあったけど...)。書くネタがすぐつきるかなとは思っていたけど、いやいや紹介したいものや見せたいもの、書きたい事はつきません。問題は、その書く時間を捻出する事です。そんなに時間をかけているわけではないのですが、その20分が、自分にとつてはいつも貴重な時間です。忙しいけれども、ネットワークを通じて何かを人に伝えるのは面白いです。本業の本質を生かして、紹介する写真はなるべく手を抜かず撮影して、もしくはチョイスして仕上げてきました。HAL9000に対しての、観察とコミュニケーションのきっかけでもありましたね。blogの利点や欠点もなんとなく見えました。伝え方次第で、誤解を生みやすい媒体でもある事を実感。とにもかくにも直接的には見えませんが、読んでくれる方々がいたからこそ書き続けられました。感謝です。...という事で、このまま第2部へ突入です。アドレスは...

http://yassblog02.blogspot.com/

皆様引き続きよろしくです。

2006/07/17

1/16スケール日本海軍搭乗員


世界のTAMIYAから、旧日本海軍零戦搭乗員のフィギュアモデルの組立てキットが発表されました。全高110mmの迫力あるサイズ。海軍搭乗員の精悍な姿を忠実にモデル化しております。ポーズも腕を組んだモノか、軍刀を持った姿も選べるコンバーチブルタイプ。ゴーグルも透明パーツが採用されており、左袖の階級章等はステッカーで再現されております。顔はなんか高倉健に似ているような気がしますね...。さすがTAMIYAだなぁ。こういう激渋なアイテムを何気なくポッとモデル化するので、いつも驚かされます。売れるのかな...、いや零戦ファンは必須のキットです。今はとても作っている時間は無いので、TAMIYAお得意の完成品を出してくれれば購入するのですが...。1,365円(税込み)。7月15日より発売。

2006/07/16

YOGI JAZZ


インパクトのあるジャケットが印象的なこのアルバム。ヨーロッパを中心とした良質なJAZZを掘り起こし、僕らに届けてくれる澤野工房が、幻のアルバム「YOGI JAZZ」を復刻させました。もちろん世界初CD化です。ドイツCBSの特殊ジャケット・シリーズの第2弾にあたるこのアルバムは、SAX奏者のヨキさんを中心としたJAZZマン達。ツインベースを導入しかつフルートを加える等、一曲目の「CARAVAN」からエキゾチックなリズムに、耳が踊ります。米国とは違う、なんとも魅惑的なJAZZサウンドです。こういったアイテムを、丁寧にかつクオリティ高く出してくれる澤野工房は、大阪の新世界にあるレーベルです。「自分が聴きたい作品をリリースする」という言葉をモットーに、優れた音源のみを厳選し、幻の名盤と言われている作品は可能な限りオリジナルに近い形で復刻していくとは、澤野工房社長、澤野由明さんのお言葉です。これ以外にも、聴いてみたい作品がごっそりとあります。アナログレコードも出していたりと、マイナーながら、いやマイナーゆえの強みを生かしてがんばっているようです。うーん、音楽に対する愛を感じる。

2006/07/15

ご近所キャッツ[第3回]



シリーズ「ご近所キャッツ」。その第3回は、恵比寿のとある廃墟に住んでいらっしゃる猫のミッチーさんの登場です。ミッチーさんはなんでも恵比寿には10年以上住んでいらっしゃるとの事で、猫界の中ではかなりの重鎮でいらっしゃいます。今住んでいるこの廃墟は、かつては印刷屋さんだったようでして、昨今のデジタル化の波に乗り遅れてしまい、潰れてしまったようです。いつも朝から印刷機が、ガッシゴッシと音を立てていたのが印象的だったとか。飼い主であった印刷屋のご主人一家は、ある夜突然いなくなってしまい、行くへはわからないそうです。それ以来、猫のミッチーさんはご主人一家がいつか帰って来ると信じて待ち続け、この家を守っているのだとか...。



「ミッチーさんは、恵比寿に住んで10年は立つそうですが、それ以前はどちらにいらっしゃったのですか」

「ふーむ...、全然覚えていないニャア...。気がついたら、この家に居たんだニャ」

「すると、もしかしたらこちらのお生まれではないでしょうか...」

「いやいや、そんな事はなくて、わしはどうやらこの家の娘さんであるマリちゃんに貰われて来たようなのじゃよ。それが、わしが生まれてたしか3ヶ月の頃じゃニャ。生まれたのは品川近辺だったときいたことがあるニャ。マリちゃんが、わしの母親と会わせようと、一度連れて行ってもらった事があるニャ。結局、母親とは会えなんだがなぁ。マリちゃんどうしているのかニャア...」

「マリちゃんという娘さんがいらっしゃたのですね」

「そう。マリちゃんはわしに対してはとても優しくて、とてもよくしてくれたよ。いつも学校から帰って来たら、おやつのめざしをわしにくれたよ...。梅雨の今時分は、赤い長靴を履き、赤いランドセルを背負って学校へ行くマリちゃんをここから見守っていたもんニャ」

「マリちゃんが早く帰って来ると良いですね」

「ふーむ...、本当いうとわしは半分あきらめているのニャ。マリちゃんは、こことは違うその場所で、一生懸命生きているじゃろうからな。ただ、時々わしの事を思い出してくれたら、満足だニャ」

「いや、もしかしたら、いつか迎えに来てくれるかもしれないじゃないですか。元気を出して下さいな」

「いやいや、わしをはげましてくれてありがとうニャ...。そうじゃな、わしももう年だけど、それを生き甲斐に、ここでもう少し待ってみるニャ...」



なんだか寂しいインタビューとなってしまいました。取材をした恵比寿のこの一帯も、再開発の波が押し寄せているようで、周りでは高層マンションがやはり建ちつつあります。この廃墟が壊されてしまう前に、なんとかマリちゃんが迎えに来てくれるのを望むばかりであります。ミッチーさん、がんばって下さい。

THE ERASER


2003年発表の『Hail To The Thief』以来、レディオ・ヘッドの新作をいまかいまかと待ちわびてきました。今年中に出るとされていた新作アルバムは、どうやら延期になってしまい、がっくり。そんなおり、突如出されてきたのがトム・ヨークのソロアルバム『THE ERASER』。早速聞いてみました。プロデュースをつとめるのが、気鋭のプロデューサー、ナイジェル・ゴッドリッチです。なかなか興味がそそられる組み合わせですね。サウンド的には、「KID A」の頃のような音作りですね。ゴッドリッチだからか、非常に凝った打ち込みサウンドを聴かせます。相も変わらずトム・ヨークは乾いたモノ悲しい声で歌っており、聴く者の胸に染み込んできます。2色刷りのジャケットにのっているイラストもかなり意味深です。蛇腹式で、凝った作りをしています。このジャケットを見ていたら、故・成田亨デザインの三面怪獣ダダを思い出しました。はっ...! トム・ヨークの事だから、もしかして本当に意識してるのかもしれません。さすがだ...。来年発売のレディオヘッドの新作も楽しみに待つ事としましょう。

2006/07/14

山本左近見参


何故ドライバーを全て日本人で固めようとしているのか...。なぜこんなにもお金がかかるレースをするのか...。それはかつてない、日本人としての誇りを持った挑戦なのである。...ということで、我らがスーパーアグリフォーミュラー1チームが、ドイツGPより日本人ドライバー山本左近選手をセカンドドライバーとして起用することを発表した。遅れに遅れたニューマシン「SA06」も、ドイツGPより投入の予定だそうで、気がつけばF1も後半戦突入であります。次戦フランスGPでは、フランス人ドライバーのフランク・モンタニーがセカンドドライバー、左近がサードドライバーを務めるとの事だ。ニューマシン導入とニュードライバーで、気分一新、良い流れを作り出して欲しいところです。ただひとつの懸念は、山本左近のママさまがくっついて来るのかどうかだ。僕はくっついてこない事を望んでいます。ハードなレースの現場にママはいらない。とにかく、がんばれ僕らのスーパーアグリフォーミュラー1チーム!

2006/07/11

星の王子さま


本屋さんで次に読む本を物色していたら、夏だからか文庫本コーナーでは夏の100冊を各社相変わらずやっておりまして、いろいろと文学の誘惑の香りを放っておりました。おっ、この機会にこの本を読んでおくか...という出版社の思惑にもろにはまり、サン・テグジュペリの「星の王子さま」を読んでみました。なんでも2005年に「星の王子さま」の翻訳権が切れたそうで、それまでは日本では岩波書店からしか出ていなかったのですが、昨年以来かなりの出版社がこぞって出しているようなのです。この作品、子供の頃話の一部分を読んだ覚えはあるのですが、後はたしかアニメで放映していたのを覚えているぐらい。全部通して読んだ事がなかったので、読んでみました。装丁もとても綺麗で、とても読みやすそうです。がががーん。ひさびさに頭をハンマーで叩き付けられたぐらいのショックを受けました。なんと素晴らしい作品でしょうか。読んでみて、知らなかった事実がいろいろと浮き彫りになりましたね。まず、あの有名なイラストはサン・テグジュペリ自身の絵であるという事。そしてそれが、ストーリー上かなり重要である事。冒頭の献辞において、サン・テグジュペリは、はっきりと子供向けの物語であるが、ある一人の大人に捧げており、捧げたのはその人が子供の時だった時のその人に捧げた事(これも物語の上でかなり重要だ)。紅いバラが重要なキャラクターとして登場している事。物語の中で、誰でもわかるが、誰もが(とくに大人が)気づかない(気づけない)重要なセリフがある事。...などなど、とにかく「星の王子さま」が名作だという事を肌身を持って実感致しました。なるほどこの作品は本当に素晴らしい。我々人類みんながこの本を読めば、国と国の諍いから個人と個人の争い憎み合いまで、半分以下に減るんじゃないでしょうか。これは大人が読むべき本であるという事が、強烈に胸にグサリと突きつけられます。おそらくでありますが、サン・テグジュペリはこの作品を、あまり肩に力を入れずサラリと書いたのでしょう。しかし、それがかえって彼自身のそれまでの言いたい事や生き様が、文章の一言一言にもの凄い密度で詰まらせる事になったのではないでしょうか。パイロットでもあったサン・テグジュペリに、俄然興味が沸いてきました。美しく悲しいラストが、胸に残ります。新潮文庫。476円(税別)。

2006/07/10

明日の神話







汐留の日本テレビで公開されている、岡本太郎の作品「明日の神話」を早速見て参りました。すでにテレビ等で紹介されているので、ご存じの方も多いと思います。この作品は、1968年からメキシコで描かれ始めたもので...うんぬんとここで僕が述べてもしょうがないので省略です。作品は日本テレビ本社ビルの真横にある広場に展示されておりました。それにしても日本テレビ本社ビルはでっかいなぁ。




しかしそれにも負けないのが岡本太郎の作品。彼の意にそってか、誰でも無料で見る事が出来ます。これはいい。もちろん写真も撮り放題。僕も含めて、携帯カメラくんとデジカメさんが大挙をなして、撮りまくっておりました。30メートルもの長さがあるこの作品、「太陽の塔」と同じく、何だか得体が知れず、無邪気でそして圧倒的に、ほとんど理解不能の芸術パワーで、見る者に挑発しているようでした。僕はここに小1時間はいたのですが、結局自分の中でこの作品を整理する事は出来ませんでした。当たり前です。岡本太郎なのです。言葉に整理する事は不可能でしょう。ただ作品が放つその「何か」を全身で感じれば良いのでしょう。





1つ残念なのは、屋外展示のため雨が降ってくると、作品保護の為か、そそくさと幕が下ろされてしまいます。でも作品の前にはターリーズコーヒーがあったり、のんびりと見る事が出来る場所で、なかなか良い空間となってます。とにかく、皆さんにも見に行く事をお勧めします。僕も、もう一度見に行くつもりです。8月31日まで。

2006/07/09

ヴィヨンの妻


「斜陽」に続き、太宰治の短編集「ヴィヨンの妻」を読みました。ここに収められている短編作品は、ほぼ彼の晩年の作品でしめられており、この時期に書かれた「人間失格」、「斜陽」の長編作品と並び、ますますもって死の色が濃く出ている作品ばかりで、非常に興味深く読めました。とくに表題作「ヴィヨンの妻」と「おさん」は、太宰治お得意の女性の告白形式で書かれ、妻からの視点で夫(太宰自身?)に対する期待と失望、人生に対する楽観と悲観をえがき、とくに興味深かったです。冒頭の「親友交歓」以外は、どれもある意味、太宰の遺書のような作品です。太宰自身ギリギリのところだったのでしょうか。これらの作品を書いた後、太宰は自分の小説通り、愛人と入水自殺してしまいます。『家庭の幸福は諸悪のもと。』と結論づけた太宰に、人が生きるという行為にやり切れなさを感じさせます。うーん、暗いなぁ...。しかしまぎれもなくこれらのお話は、読んでいて面白かったです。どこまでいっても太宰治は全身作家だっのでしょう。新潮文庫。362円(税別)。

2006/07/08

まだ旅立ってもいないのに


最近、福満しげゆきという漫画家が気になっていたので、彼の最初の単行本「まだ旅立ってもいないのに」を読んでみました。彼が描く漫画は、ほぼ全部がダメな男が主人公の話であって、このダメさ加減に何かしらの共感を感じるか、感じないかで、好き嫌いが分かれるところだと思います。僕は非常に好きです。時にはハゲのおじさんが主人公で出てきたりして、これまたダメな男なのですが、キラリと光る異様な輝きを描くところに、著者のキャラクターに対する愛着と哀愁を感じさせます。ここまでダメだと、もはや笑ってしまい、これは一種のギャグ漫画でもあるのだなと思いました。また著者の女性に対する描き方は一貫しており、変な子ばかりであるが、どこかとても魅力ある子たちばかりで、著者の女性感に共感を感じるところもありました。登場人物の全てにおいて、福満しげゆき自身がキャラに反映されているのでしょう。ダメで面白い、そんな変な漫画です。青林工藝社が出版している作品なので、かなりクセのある漫画ですが、とてもおススメの一冊です。勇気を出して読んでみましょう。ダメかもしれないけど...。

HAL9000伝 その17


古代エジプト時代にもすでに猫が飼われていた事からもわかるように、猫はもともと砂漠のあるところにいた動物らしい。なので、砂埃から眼を守る為に、瞼と眼の間に、薄い白い膜があるのです。当然、猫であるHAL9000にもあったのです。そんな事を知らなかった時は、僕はすっかり白目を向いているものだと思っていました。この薄くて白い膜は、瞼が上下に動くのに対し、横から出てくるようなのです。なんか気持ち悪いですね...。エイリアンのようです。いや、それにしてもよく出来た構造です。感心してしまいます。人間にもあっていいものなのになぁとも考えたりしますが、それこそ気持ち悪い表情になってしまうかな...。

2006/07/07

クレーン2



高い所へ、人が持って運べない重い鉄材などをスルスルと持ち上げて運ぶ、高所クレーン。その建築物が完成すれば、解体されしまうクレーン。そんな高所クレーンが、今街のあちこちで見かけます。割と小さいものから、かなり大きなタイプまで、意外に様々なクレーンがあります。操作を誤ると、事故に直結します。操る人は緊張感を有します。だからこそなのです。ギリギリの人工絶対美なのです。皆さんもちょっと立ち止まって、見てみて下さい。その健気で、ハードで、そして美しいシルエットに、息をのむでしょう...。そんなクレーンが、今日も働いている。

2006/07/05

M702iS & M702iG


ドコモからモトローラーの携帯電話が発表されました。「M702iS」と「 M702iG」の2モデル。ボディはアルミ製でキーはステンレスというメカメカしい質感で、格好いいじゃないですか。しかも厚さ14.9mmと薄いです。スペックを見てもなかなか魅力的。とにかくあくまで携帯電話という軸がぶれておらず、さすがモトローラです。これでしょう、日本で求められている携帯は。音楽携帯はもうたくさん。カメラ機能も極めました。今こそ、携帯端末として極める時が来たのでしょう。割引も繰り越しサービスも、そんなもんいらない。最初から全ての基本料金を安くして下さい。端末は少々高くてもいいじゃないですか。丈夫で、クールで格好良く、電話として使い勝手が良く、長持ちする携帯であれば、安いもんじゃないですか。うーん、モトローラーに乗り換えたいなぁ。ムラムラ。でもドコモは好きじゃないしなぁ...。

2006/07/04

W-ZERO3[es]


ウィルコムの新しい端末「W-ZERO3[es]」が発表されました。ご覧のように、携帯電話用テンキーと文字入力用フルキーボードの2つのキーボードを搭載しています。横スライド形式はたしかNOKIAでこんなの出てましたが(もちろん欧州モデルで)、いや見た感じシンプルだけど緻密でなかなか格好いいですね。2.8インチでVGA(640×480ピクセル)液晶搭載ですので、意外に大きいのでしょうか。もちろんOSはWindows Mobileです...。これが...これがリンゴマークのOSだったらと、つい考えてしまいます。iPhoneは、やはり噂だけだったのでしょうか。新型iPodも、開発が相当遅れているようで、今年中に発売が無理だと噂が流れておりますが、どうなのでしょうか。8月7日サンフランシスコで行われるWWDC2006では、OS-X「Leopald」がお披露目されるみたいですが、ついでにOne more...で、サプライズがありませんかjobs様。それにしても魅力ある端末をどしどし出すウィルコムは、勢いが感じられます。3大携帯キャリアは見習うべし。

2006/07/03

skywalker


これは昨日の写真なのですが、青山の青空です。なんだか雲のまだら模様が階段のようで、空の上に歩いていけそうに感じました。とにかく毎日毎日ジメジメ蒸し暑い日が続いておりますが、この時だけは心地よい風が吹いていました。しかしこの空も長続きせず、今日もグレーな日に戻りました。梅雨は早く終わってほしいけど、さりとて暑い夏も好きではない。好きではないので、こと夏の風流なモノを楽しむことにしています。先日は会社に風鈴をぶら下げました。あ...、水ようかんも食べなくては。そうだ、扇子も出さなきゃ...。

2006/07/02

さんさん録 第2巻


こうの史代さんの「さんさん録」(3月17日blog参照)の第二巻が発売されたので、早速読みました。じじい(...といっても参さんはカッコイイ)が主人公というめずらしい漫画です。じじいが主人公と言えば泉昌之の名作「ジジメタルジャケット」を思い出しますが...。相も変わらず、普通の人の日常を描く地味な話ではありますが、それだけにとてもリアルに感じます。作者のやさしい人柄も作品から感じられます。それにしても、参さんと仙川さんの恋が予想以上に展開され、盛り上がったりしていくのですが、残念ながらこの第2巻で完結してしまいます。僕的には、もう少し続きが読みたかったのですが...、この辺で終わるのもいいさじ加減かもしれません。いや面白かった。双葉社。724円。

2006/07/01

漱石の孫


夏目房之介の「漱石の孫」を読んだ。著者夏目房之介さんは漫画の評論・研究で有名な方で、自身も漫画をお書きになる。そして文豪夏目漱石の孫でもあるのです。...といっても、この本で語られていますが、ご本人にとっては、子供の頃や若い頃、その事が相当コンプレックスとなっていたようです。僕自身も、この人が漱石の孫であることを後から知りました。夏目房之介さんを知ったのは、週刊朝日のデキゴトロジーの連載で、毎週親父が買ってくる週刊朝日のこのページを読むのを楽しみにしておりました。テレビ番組の為、夏目房之介さんが英国ロンドンの、かつて夏目漱石が下宿していた部屋を取材した折、そこで受けた複雑な感情が、この本を書くにきっかけになったそうです。50歳を過ぎ、徐々に漱石を受け入れる事が出来たそうですが、本人にとっては、漱石は自分が生まれる30年以上も前に亡くなっている為、周りの反応に反して、いかんともし難いものがあったようです。むしろその漱石とは対称的な夏目房之介の父親に対して、かなりのコンプレックスがあったようですね。そしていつもその背後に浮かぶ夏目漱石の存在が、父と対称的で、どちらかというと夏目房之介さんは漱石さんに近いものを感じずにはいられなかったのではなかろうか。ふーむ。新潮文庫。476円。